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子どもたちの3年

日常が戻りつつあります。しかしこのまま忘れていいとはとても思えません。

日常や学校の景色は大きく変わっていきました。
3年以上もの間、ウイルスから逃げ続けた日々は、子どもたちの心と身体にとってどのようなものだったでしょうか?

今回、この間にあったことを一人でも多くの人に振り返ってほしいと思い、2020年から2023年にかけての子どもたちの風景とその背景にあったことをほんの一部ですがタイムラインに並べてみました。

新学期も学校に行かなかった。ずっとマスクをしていた。行事がたくさん中止になった。友達の顔はよくわからなかった。今の子どもたちが大人になったとき、自分の子どもに対して、この3年あまりの間に見てきた風景をどのように話すでしょうか?
「みんなそうだったからね」「あの時はしょうがなかったんだよ」 「わたしはイヤだったな」「あれはおかしいと思った」
どう話したとしても、そこにあった現実はすべて私たち大人の責任です。

多くの大人が国や学校・園のいうことを「仕方がない」と受け入れてきました。
一方で、子どものコロナ感染によるリスクの低さ、常時マスクや黙食、密の排除といった過剰な対策による成長や発達への懸念などから「全国有志子どもを思う会」をはじめ「子どもたちに以前の日常を」と声を上げた大人たちも決して少なくありませんでした。

あの頃の私たちに見えたもの、見えなかったもの。いろんな出来事や声をもとに振り返って、子どもたちにあのような日々を過ごさせてしまった理由と、これから私たち大人が何をすべきか、考えてみませんか?


利他、思いやり、とりわけコロナ禍においてよく使われた言葉です。一見何の罪もなさそうなこの言葉は、人権を侵害し、個人の自由を奪う凶器的な側面を持つことを私たちは学びました。子どもたちから奪っているものの大きさ、子どもたちの健康や心への影響を大して考えもせず、国が示す正しさに何の疑問も持たない日本の全体主義的精神が子どもたちの3年間を犠牲にしたのだと思います。

ここでは深く触れませんが、感染対策として当たり前のように強いられてきた常時マスクや黙食が感染拡大を防ぐ根拠は残念ながら乏しく、実社会では感染対策とは関係なく大きな波がウイルスの変異とともにやってきました。国やテレビなど多くの人が目にするメディアから伝えられる情報について私たちはもっと吟味する必要があると思います。ここについても一緒に考えていければと思います。

ウイルスが怖いわけでもなくマスクを外せない子がまだたくさんいます。

マスクをするもしないも確かに自由、個人の判断です。しかし、子どもたちだけは自分の意思でマスクをし始めたのではありません。子どもたちから素顔を奪ったのは私たち大人であり、今もなお外せない子に対する責任は間違いなく私たち大人一人一人にあります。どのようにしたら子どもたちに素顔を返してあげることができるのか?真剣に考えなければなりません。

2022年の子どもの自殺者数は過去最多となってしまいました。

子どもまんなか社会であるはずの日本は危機的状況にあると言えます。私たちはこの状況に何ができるのでしょうか?


「残すこと」「伝えること」の大切さと難しさも改めて感じています。

過去には戦争がありました。その時代を生きた人が少なくなっていく中、私たちはどれだけ、当時起きたこと、人々の思考や感情を感じられるのでしょうか?幸い、戦争当時とは違い今は、ウェブニュースやブログ、SNS といったサービスの普及により、多くの出来事や人々の発言や思考がインターネット上に保存され、その多くが参照することが可能です。 東日本大震災も、SNS やデジタルアーカイブといった形で(今のところ)多くの情報を参照することができます。しかし、足りないものもあります。表現の自由が制限された戦争当時は、日記や手記といった形で個人の本音がつづられていました。

「エゴドキュメント」から見えるリアルな太平洋戦争

現代では、これらはブログや SNS へと形を変え一見たくさん残されているように見えます。しかし、そのオープンな特性のせいかどこか表情が違いますし、これらは本当に未来に残り、多くの人の目に触れることになるのでしょうか?

絵の好きなお母さんがコロナ禍に見た娘の姿を描いたものです。

2023年10月15日に行われた「第7回 ビバ!キッズスマイル!!」の中でも「この4年間を思い出せますか?」という形で紹介させていただきました。

第7回 ビバ!キッズスマイル!! with ミズノスポーツフェスティバル

コロナ禍に限りません、何気ない日常の中で一人ひとりが見た風景、感情や飾らない思考、それらの移り変わりこそ未来に残す必要があると感じています。慌ただしい日常の中に見たこと感じたことを未来に残すことについて考えて欲しいと思います。

下の絵は、イベントの時に子どもたちが描いてくれた年表を再現したものです。 たくさんの子どもたちが、好きなものや思ったことを素直に自由な形で描きだしてくれました。こどもの作品にコメントを添えてくれたお母さんもいました。

この4年間を思い出せますか?

個人や家族の思い出にとどまらず、子どもたちが描いてくれたような飾らない感情や思考をみんなが感じ、優しく触れることのできる世界の可能性について考えています。

この「残すこと」について、今後の活動の1つ大きなテーマとして扱っていきます。
また、どこかで大きな年表を見つけたら、いろんな記憶と思いを残してもらえるとうれしいです😊

お読みいただきありがとうございました。